2016年5月30日月曜日

なぜ「実写化」するのか

「漫画を実写化する」というと、どんなイメージがあるでしょうか。
大体は「やめた方がいい」「というかやめて!」ってなりますよね(笑)「実写化はコケる」ともよく言われます。
私もあまり好きではないのですが、実写化は絶えません。
なぜでしょうか。

実写化は海外への扉を開く?

2009年公開の映画、「ラスト・ブラッド」。原作は、日本が世界に誇るアニメ制作会社、プロダクションI.Gの「BLOOD THE LAST VAMPIRE」です。
原作アニメがうまれて約10年経ってからの実写映画化ですが、海外に対してドアが開いたとI.G社長の石川氏は言っています。
I.Gは元々、あまり原作に忠実にアニメ化する会社ではないそうです。攻殻機動隊の場合も、原作者から「漫画とアニメは違うから、アニメーションで最大に効果を出せる演出方法で作ってほしい」という意見で信頼し、制作を任せているという状態だそうです。それと同じで、今回は監督のビル・コン氏を信頼して制作を全て任せたそうです。
「原作をリスペクトしてくれている作品になった」と石川氏は言っています。



海外でも注目されている作品が実写化されれば興味を持つ人は多いし、「漫画とアニメは違う」というように「アニメと実写は違う」と思います。
では、「ラスト・ブラッド」は成功したのでしょうか?

韓国を初めとしたアジア7か国とフランス、モナコ、モロッコなどで公開され、総279万3千466ドルの興行収益を上げたようですが、
これは製作費3千500万ドルの10分の1にも及びません。


結局、実写映画化は失敗に終わるしかないのでしょうか。



「漫画とアニメは違う」ので、「漫画と実写」「アニメと実写」も違います。
実写化には、「これは原作と別物」という前提が大切なのかもしれません。
如何に「実写で最大に効果を出せる演出方法で」作れるか。
更に、原作頼りにならないことが求められると思います。
原作を知っている人が見ても、知らない人が見ても面白い物でなくては、実写化は成功しない、できないのではないでしょうか。


実写化で成功する作品に共通することは何なのかも、調べてみたいですね!


2016年5月7日土曜日

CM,宣伝

忘れないうちにもう1つ…!!いや2つ…!?


先日電車に乗っていたら、ドラえもんが…!!


かわいい…!
思わず目を引きました

まず色がかわいい。
「ポップ」をイメージして作られているらしく、まさしくポップ。かわいい。
輪郭線なしなのもいいですよね。
使われている色も、基本的には「青」「赤」「黄」「白」「黒」で
ドラえもんの色のみです。
また使用面積も、ドラえもんと合わせている感じがします。
青はたくさん、白もたくさん、赤と黄色は少なめです。

そして「丸」をたくさん使っている。
ドラえもん自体が「丸」で構成されてますし、何線かを表すマークも丸ですし、相性バツグンですね!かわいい
ポップです


東京メトロの安全対策等を紹介していくCMになるようです。
その点でも「丸」は合ってますね

トラのもん
ドラえもんは虎ノ門ヒルズとコラボして「トラのもん」もやっていますし、この沿線ではなじみ深くなってきたのではないでしょうか。


もう1つは、Twitterで回ってきたものです。
資生堂の男性向けブランド「uno」の広告「uno SOCIAL BARBER」。
こちらは「ソーシャル理髪店」ということになっていますが、
「SNSで自分が、他人にどう思われているか」を分析してくれます!

https://www.socialbarber.uno/


クリックすると、TwitterかFacebookでのログインを求められます。
任意のアカウントでログインして少し待つと、分析が完了します。
ここからが面白いです…


扉が開き、椅子に座ると…


髪が伸びていって、その先に「自分がSNSで発した言葉」がついてきます!
(ちょっとはずかしいので、詳しくはやってみてください!笑

そして髪が整えられ…



エゴグラムで結果を出してくれます!

更に詳しい分析と、自分に合ったヘアワックスを
この後の「カルテ」で教えてくれます

更に最後には「TwitterとFacebookでは、多くの人が別の診断結果になるそうですよ」という文章が…!
これはどちらも試したくなりますよね笑

PCからでもスマホからでもできます
ギミックが多いのでちょっと重たいですけど…

この診断は、ディープラーニングを用いた「性格分析アルゴリズム」を使用しているそうです。
ディグラム診断みたいですが、自分で設問に答えたりしなくていいので、お手軽です。

こういった宣伝は話題性もあって、人の記憶に残りやすいですね。
新しい技術を使って面白い事をして、認知度を上げる。
でも大抵、こうゆうものは一過性な気がしますね…
どうやって持続させているんでしょう。



++++++++
※ すすメトロ!http://www.tokyometro.jp/susumetro/
※ 虎ノ門ヒルズhttp://toranomonhills.com/ja/toranomon.html

ノってきたので連投です!おはようございます
昨日たまたま市の図書館に行ったら
「映像制作入門 見せることへのファーストステップ」※1という本が目に留まって
こう、義務感…? 読んだほうが良い気がして、読んでみました
メモを残しておきます


・制作の中心人物が何をどう捉えるのか


・同じ文章、シチュエーションでも、3種類の撮り方がある
  • プライベートビデオ風
  • テレビ番組風
  • 映像作品風


・クイックズーム→スローでズームバック全体の流れで呼吸が整いやすい


色温度

太陽光:5600K
蛍光灯:4500K
白熱電球:3200K
温度が低いほど赤味を帯びていく

早朝の青い感じ:4500Kか3200Kに
 夕方の赤い感じ:5600K


照明

キーライト

人物に当てる主照明。スポットを使用(太陽の光に似ている)
順方向斜め上から当てることで、片側に陰影が生じ、立体感が出る


フィルライト

「おさえ」。キーライトによって生じた陰影を適当に和らげる。
このライトによる新たな影が生じないように、一般的にはフラッドライト(曇天の光に似ている)を用い、
キーライトより弱めに使う。
位置は順方向で正面ないしキーライトの反対側、キーライトより低めにする。

バックライト

逆光として使う。人物の輪郭(髪や肩)を強調して立体感を増し、また背景から浮き立たせる。
一般的にはスポットを用いる。


・ティントレット
画家。大胆な構図で浮遊感や特別な遠近感を生み出す。
「意外なところからのフレームイン」の参考になる。

・「シェルブールの傘」
ミュージカル映画。計算しつくされた傘の演出。

########

照明の事は全くと言っていいほど知らなかったので、勉強になりました。
色温度を調節することで、更に雰囲気を出せるのも覚えておきたいです。
ミュージカル映画が参考になるのは分かりますが、絵画まで参考にできるのは驚きました
ティントレットの絵画が詳しく分析されている本を探したいですね。

たまたま目についた本でしたが、照明に関しての知識も得られたので
私としては大収穫です!よかったよかった笑



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※1 鈴木誠一郎,喜多千草 編著 2009年 ナカニシヤ出版

ピクサー展:後編

こんばんは。と言いたいところですが、もう「おはようございます」ですね笑
まだ慣れなくて、書き始めると時間がかかっていけませんね

前回はピクサーのストーリーやキャラクターに関して書きました。
今回は、展示の中で面白かったもの2つについて書いていきます


すごいのがあったんです。「何だか大人も子供も集まって歓声あげてるなあ」と思ったんですよ。
そしたらまあ何と














※1



こんなものがございまして
「そういえばサイトで見たけど、これは何だ」と思って見ていたら
これがぐるぐると回り始めて、どんどん速くなっていって
「残像がすごい」と思ったら、今度は照明が高速で点滅して
なんとアニメーションになったんです!!
一同驚きですよこんなの 年齢とか関係なしに皆「おぉ~~」って言ってました笑

この「大型ゾートロープ」、展示の前にある説明書きが
言ってる事がよく分からなくて笑
見てみたらすごくて、3回ぐらい回るの見てから 戻って説明読み直しに行きました

18フレームに分けられていて、各フレームに3Dフィギュアが配置されている。
1秒間に1回転するディスク上にあるフレームごとに光るストロボライトによって回転の動きが止まって見え、”仮現運動”の効果でキャラクターがうごいているようにみえる。

というような文章だったのですが、
見たからこそ説明がすんなり頭に入ってきますけど、何のことやらって感じですねホント…

















※2



これ↑と仕組みは一緒なんですけど、巨大化するとああなるんですね びっくりしました

ジブリの「三鷹の森美術館」にトトロが跳ねる大型ゾートロープがあるそうなんですが
それが元になっているようです。
ジブリとピクサーは交流があって、トイ・ストーリー3にはトトロが出てるみたいですよ!
前にテレビで、ピクサーのジョン・ラセター氏と宮崎駿氏が、外を歩きながら対談しているのも見たことがありますし、仲がいいんだなあと思いました。


2つ目は絵が動いてました
話の大筋と世界観を決定する「カラースクリプト」※3を、更に分かりやすくするために
その絵の中に入り込んだような映像にしたもので、「アートスケープ」といいます。まあ文字通りですね
身近な感じで言うと「すごく手の込んだ静止画MAD」です笑

ファインディング・ニモのスペースで、
「海の中で、クラゲが通り過ぎていく」小さくて数秒のものがインタビュー映像の中に紛れ込んでいたのですが

それを まさか プロジェクター 3台で やるなんて !!

映像が壁に大きく映し出されて、本当に絵の中に飛び込んでいるみたいで
すごかった… これも年齢関係なく盛り上がってました


短すぎて分かりづらいですかね…
「artscape pixar」で調べると出てきますので是非!
(この仕組みは展覧会公式カタログに載っていたので、せっかくだしちょっとやってみたいです)


紹介した2つに共通することは、「大人も子供も夢中になれる」エンターテインメント性ではないかと考えました。

貼りだされていた年表に、こんなエピソードがありました。
「1996年のアカデミー賞授賞式に、リムジンではなく、ホットドッグ型ライトバンで登場した。」

当時どのように受け止められたかは分かりませんが、これこそピクサーのエンターテインメント性ではないでしょうか。
アカデミー賞の授賞式で、リムジンのなかにホットドッグがあったら… 嫌でも印象に残りますよね笑
この「印象」が大切だと思います。

そのホットドッグバンを「面白い!」と思った人はどれほどいたでしょう。
それは保守的な、いわゆる「大人たち」より、「子供たち」の方が多かったのではないでしょうか。彼らには確実にいい印象を与えたはずです。

子供はやがて大人になります。その時子供に何を見せたいか。
もちろん「いいもの」を見せたいですよね。
これが受け継がれていくことが、ピクサーには大きな力となります。

今回の展覧会も同じだと思います。

会場に子供を連れてくるのは大人です。
連れてこられた子供は、ただ展示されたアートワークを見るだけではなく、このような展示があったことで
「すごかった」「おもしろかった」「たのしかった」と印象づけられ、ピクサー自体にいい印象、興味を持ったのではないでしょか。
更に大人をも虜にし、よりよい印象を持たせる。

しかもこの展覧会は、世界中で行われています。
世界中に「ピクサーファン」が増えていきますね


良い作品とエンターテインメントでファンを増やし、根づかせ、また良い作品を作り、エンターテインメントを行い…
ただ「良い作品」を作っていくだけでは、良いビジネスにはならない、ということでしょうか
当たり前ですけど、考えられていますね…!


ピクサー展、他のメンバーでも行っている人が多いですね
面白いし、楽しいですよ!ピクサーファンになりに行きましょう!笑

セイウチ

最後におまけ
イメージアートで一目惚れしたセイウチのキャラクター!
トイ・ストーリー3って書いてあったんですけど、調べても詳細出ないので
どなたかご存知の方いらっしゃいましたらご一報くださいませ…!
とてもかわいい グッズがあったら買ってた










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※1 ピクサー展公式サイトより。http://pxr30.jp/highlights/
※2 こどもの城 映像化学ブログより。http://oshirois.blog.fc2.com/blog-category-6.html
※3 堤大輔さんのアートワークがたくさん展示してありました!日本以外でもやっている展覧会で、普通に肩を並べているのが最高にかっこよかったです

2016年5月4日水曜日

ピクサー展:前編

もうゴールデンウイークですね!こんばんは!
書く内容は決めていたのですが、なかなか内容がまとめられずにいたら、かなり期間があいてしまいました…

今回は、4/23に行ってきた「ピクサー展」についてです!
いいものがたくさん見れました 色々すごかったし色々かっこよかった
長期間かけた割にはあまりまとまっていないかもしれないですが、書いていきます



展示の中に、これまでピクサーが作ってきた短編集を上映している場所があったのですが、
「ルクソーJr.」や「ニック・ナック」など、佐々木先生の映像創作入門の授業で見たような作品に混ざって、私が非常に惹き付けられたものがありました。
Day & Night」です。
















(Day & Night,2010)


トイ・ストーリー3と同時上映された短編のようです。
リンクは英語版になっているのですが、上映は日本語版で行われていました。
2人が「Day」の電波塔を映して演説を聞いているシーンは、よくは覚えていないのですが
「みんな違ってみんないい」みたいな事を言っていた気がします笑

他にも様々な作品が上映されていましたが、ここまでメッセージ性の強い物はなかったような気がします。
それが、私がこの作品に惹き付けられた理由だと思います。

他の作品は、ストーリーの面白さやキャラクターの愛らしさにクスッとくるような、単純に「おもしろい」ものでした。
しかし「Day & Night」はそれでけではなく、
別の物、正反対と思えるようなものにも良いところがあって、それをお互いに認め、活かし合うことで、争い事はなくなる
というメッセージを投げかけられているように感じました。
これこそ、ピクサーが大切にしている「Story is King.」なのではないでしょうか。

この言葉も、私の中に強く残りました。
「ストーリーこそ王」。
ピクサーでは映画製作の約3/4をストーリーに費やすそうです。
いくらキャラクターがかっこよくても、話が面白くなかったら魅力的にはならないと思います。良いストーリーがあってこそ、ですよね。

同じように、良いストーリーには魅力的なキャラクターが必要です。
良いキャラクターには、「身近に感じられること」が大切ではないでしょうか。
身近に感じさせるには、リアリティが必要です。キャラクターを取り巻く環境、性格、動作などに、現実味がなくてはならないと思います。
もちろん描かれるのがファンタジーの世界では、実際にはあるわけないのですが、それを如何に「あり得るかもしれない」と思わせることができるか。それがなくては、親しまれることは難しいのではないでしょうか。



ピクサーでは、声優の音声を元にキャラクターを動かす、という手法をとっています。その方が、動ているイメージがしやすく、リアリティがでるそうです。日本語と違って口もちゃんと動かさないといけませんから、その方がやりやすいのだと思います。
そのため、声優は非常に苦労するようです。

「Mr.インクレディブル」でフロゾンを演じたサミュエル・L・ジャクソンは、
セットも衣装もなく、共演者すらいない録音スタジオで、何時間もハイテンションの状態でテイクをこなしていかなくてはならなかった
そうです。
聞いただけで気が狂いそうですね…笑
この「声に合わせてキャラクターを動かす」方法は、サンダーバードでもとられています。

またトイ・ストーリー3では、バズが「スペイン語モード」になるシーンがあり、フラメンコダンサーの動きを参考にして作られ、アニメーター自信がフラメンコを一人で踊ったりしていたようです。
またロッツォは、「ビロードで作られたテディベア」という設定があったため、
職人を呼び、布から選んで、実際にロツォを作ってもらい、それをもとにモデリングしていったそうです。歩いた時の布のたるみや布の質感などを目で確認することができるため、違和感のない、実際にいそうな仕上がりになったのだと思います。

トイ・ストーリー3予告映像より。右側の赤いテディベアがロッツォ。














このエピソードを聞いて、サンリオの「ポムポムプリン」を思い出しました。
以前「ポムポムプリンだいすき展」に行った時、初代デザイナーがずっと見えるところに置いていたというぬいぐるみが展示してありました。
ポムポムプリンのぬいぐるみを初めて商品化した際のものらしく、かなり年季が入ったものだったのですが
それが、ポムポムプリンが何十年も変わらぬデザインで愛され続ける理由ではないかと感じました。

初代デザイナーのポムポムプリン。大分くったりしている。

サンリオキャラクターは、大幅なカラーリングの変更や、デザイナーの代替わりによる顔のバランス等のマイナーチェンジが少なくありません。ハローキティですら、例外ではありません。
そんな中、ポムポムプリンは20年目に入り、デザイナーは現在2代目ですが、カラーリングも、デザインも、バランスも、全てが発表当初のままで、非常に驚きました。
一度は人気が下火になったようですが、2015年のサンリオキャラクター大賞で1位に輝いたことも珍しいと思います。
「20年後にも通用するキャラクター」であるポムポムプリンは、これからもこのままで愛され続けるのではないでしょうか。

キャラクターを、実際目に見え、手に取れる形にしてあるということは、思っているよりも大切な事なのかもしれません。


 
話がかなりそれてしまいましたね ポムポムプリン好きなんです笑
思っていたより長くなってしまったので、次回に続く… ということにします。